vol.27 銀座でひとやすみ

琥珀に染まるカフェで銀座の珈琲を

日新堂の近くにある名店や街の魅力をお伝えしたい、そんな想いから生まれた『日新堂マガジン』。喜ばれる手土産やおいしいカフェ、そして街の歴史やちょっとしたトリビアまで、日新堂のお客さまが愉しめる街案内をお届けいたします。
第27回目は、銀座のコーヒー名店をご案内します。










国内外のコーヒーマニアが訪れる名店

銀座の路地裏にたたずむコーヒー専門店、カフェ・ド・ランブル。東京のコーヒー四天王やコーヒー界のレジェンドなどと称され、日本はもちろん世界中から多くのコーヒーマニアが訪れる店です。そんな店のはじまりは、終戦直後のこと。映画機材の商いをしていた関口一郎氏が事務所を訪ねる商談相手にふるまっていたコーヒーがおいしいと評判になります。事務所にはコーヒー目当ての客が集い、そのうちコーヒー店を出してみてはどうだろうかと提案されるように。そこで昭和二十三(1948)年、西銀座に珈琲専門店カフェ・ド・ランブルを開きます。当時の銀座では一番高いコーヒーが一杯九十円、それならと関口氏は自身の淹れるコーヒーを一杯百円としたとか!十日で潰れると陰口をたたかれたものの、本格的なコーヒーを愉しめる店はまだまだ珍しく、すぐに話題となり常に行列をなす賑わいだったそうです。



今では初代店主・関口一郎氏の甥であり初代のもとで研鑽を積んだ二代目店主が受け継ぐ。昔ながらのご常連から海外の観光客までさまざまなひとが集う。誰が来ても変わらない店主のふるまいに銀座らしさを感じる。







注文ごとに豆を挽きネルドリップで淹れる。ポットのお湯を細く垂らし、手製のネルドリップを少しずつ動かしながら、小鍋へと琥珀色の液体を落としていく。ハンドドリップを間近で愉しみたいならばカウンター席へ。













好みを伝えて今の一杯を愉しむ

珈琲専門店という名に違わず、カフェ・ド・ランブルは昔も今もコーヒーだけという潔さ。しかしコーヒーのみとはいえ、コロンビアを主に五種類の豆を使ったブレンドをはじめ、農園や生産者にこだわった十五種類ほどのシングルオリジン(単種)、生豆を十年以上寝かせたオールドビーンズ、洒落たデザートコーヒーなど、そのメニューは多彩です。こだわりが詰まったブレンドをオーダーするのもいいけれど、味や香りの好みを伝えてバーのように“今、飲みたい一杯”を店主に相談するのもおすすめです。風味はさまざまなれども、色や味ともにすっきり澄みきったコーヒーがランブルの持ち味。フランス語で琥珀色を指す“L’AMBRE”、澄み切った琥珀色の一杯を愉しめるカフェです。



フレンチスタイルの濃いコーヒーが基本だが、飲みたい濃さを選んでオーダーする。濃い目が好きな人はドゥミタッス、やや濃い目は中カップ、薄めは普通カップとなる。オリジナルのドゥミタスカップは波佐見焼のもの。ブレンドコーヒー・ドゥミタッス/750円









ミルクを浮かした甘いコーヒーをグラスに注いだブラン・エ・ノワール(琥珀の女王)。開店当初、女性向けに考案したデザートコーヒー。今では女王の美しさに惹かれたファンたちが男女とわずオーダー。ブラン・エ・ノワール/850円









パリのカフェのような趣のある店内は、十席ほどのカウンターとテーブル席がある。遅い時間には落ち着いている日もあるとか。









今では銀座八丁目の路地裏へ。焙煎する香りに誘われて店へと訪れるひとも。豆も販売している。









掲載情報は2023年2月のものとなります。料金は税込です。

■DATA■
カフェ・ド・ランブル
住所      東京都中央区銀座8-10-15
電話番号    03-3571-1551
営業時間    12:00~21:00(L.O.20:30 )、日曜・祝日12:00~19:00(L.O.18:30)
定休日     月曜日

営業時間・定休日は状況にあわせて急な変更も。お出掛けの際はWebやお電話などにてご確認を。
カフェ・ド・ランブル