vol.11 銀座でひとやすみ
「銀座ウエスト本店」で
甘いひとときを
日新堂の近くにある名店や街の魅力をお伝えしたい、そんな想いから生まれた『日新堂マガジン』。喜ばれる手土産やコーヒーのおいしいカフェ、そして街の歴史やちょっとしたトリビアまで、日新堂のお客さまが愉しめる街案内をお届けいたします。
第11回目は、おいしいケーキとコーヒーを愉しめる正統派な喫茶室へご案内します。
文化的な薫りのクラシカルな喫茶室
銀座7丁目にある、クラシカルで端正な佇まいの「銀座ウエスト本店」。手土産にふさわしいリーフパイやクッキーで知られる洋菓子ウエストは、この銀座の店からはじまりました。昭和22(1947)年、この地でウエスト初代はレストランを開業。それはコーヒー一杯が十円だった時代、千円のフルコースを提供する高級レストラン。しかし開店早々、都の条例で高級飲食店が禁止されるはめに。そこで菓子とクラシック音楽を愉しめる喫茶店として再出発。グランドピアノをかたどった蓄音機を置き、レコード盤を取り換える音大生の音楽担当までいたそうです。甘い菓子とともにクラシック音楽を愉しんだ名曲喫茶時代には、作家や芸術家など文化人が集うサロンのような場であったとか。いまもどこか文化的な薫りが漂うのは、当時の名残なのかもしれません。
ココアスポンジとバタースポンジを組み合わせたモザイクケーキ。するする飲める柔らかなコーヒーはお代わり自由。心ゆくまで寛いで欲しいという初代の想いが込められている。コーヒー/1,100円、ケーキセット/飲み物の金額+330円
ウエストでは一番人気を誇るシュークリーム。東日本大震災以降、災害が起きるたび被災地支援の「シュークリームプロジェクト」を実施。シュークリームなどの売り上げの一部を義援金とする活動には多くのウエストファンが参加。愛らしさと優しさが詰まった看板菓子。411円(持ち帰り価格) photo by CONFECTIONERT WEST CO., LTD
愛らしい菓子とコーヒーでひとやすみ
銀座ウエスト本店を訪れるひとの多くがお目当てのケーキセット。木製のコンポート台に並ぶ20種類ほどのケーキから選ぶのですが、これ!と決めてはいてもつい目移りしがちです。いろんな種類があるもののウエストのケーキは、色味もかたちもいたってシンプル。人工着色料や香料はなるだけ使わず、小麦粉やバター、クリームなどの素材にこだわった“ほんのり甘い”ケーキを手掛けています。定番のシュークリームやモザイクケーキはもちろん、契約農家から直送される旬の果実をふんだんに取り入れた季節限定の生ケーキなどが人気です。そんなケーキのお供にはあっさりとした苦味の少ないブレンドコーヒーを。ケーキの味を引き立てる洋菓子店ならではの一杯です。 コロナ下では、席数を減らして最新の空調設備を設置するなど、安心して寛げるための対策を取り入れています。そろそろ街へと出掛けたい、そんな日は銀座らしい正統派の喫茶室に立ち寄ってみませんか。
落ち着いた空間ときちんとした接客が心地いい銀座ウエスト本店。真っ白なテーブルクロスやダークブラウンのソファなど、室内は創業当時からほとんど変わらない。壁には、猪熊源一郎氏や洋画家・林武氏の絵画がかかる。絵を売りに店を訪れた若かりし林氏の作品を、初代が気に入って購入したとか。photo by CONFECTIONERT WEST CO., LTD
喫茶室の店頭には洋菓子の売店がある。わざわざ買い求めに訪れるひとから、おいしそうなケーキに足をとめてひとつふたつ気軽に買っていく会社員までさまざま。photo by CONFECTIONERT WEST CO., LTD
掲載情報は2021年11月のものとなります。価格はすべて税込
■DATA■
銀座ウエスト本店
住所 東京都中央区銀座7-3-6
電話番号 03-3571-1554
営業時間 月~金:9:00~22:00、土日祝:11:00~20:00
休日 年末年始