vol.9 銀座でひるごはん
屋上にある別世界、月のはなれでクレオール料理を
日新堂の近くにある名店や街の魅力をお伝えしたい、そんな想いから生まれた『日新堂マガジン』。喜ばれる手土産やコーヒーのおいしいカフェ、そして街の歴史やちょっとしたトリビアまで、日新堂のお客さまが愉しめる街案内をお届けいたします。
第9回目は、銀座の屋上カフェへとお連れします。
老舗画材店が営む屋上カフェバーへ
銀座の街は、大通りだけではなく路地にも、そして林立するビルにも魅力的なお店が潜んでいます。銀座八丁目の見番通りにある細長いビル。狭い階段をのぼっていくと、不意に眩しい光に満ちたテラスがお目見え! 銀座の空と緑の木々に彩られた不思議な屋上空間、そこは「月光荘サロン 月のはなれ」。欧風な佇まいの店は、老舗の画材店「月光荘」が営んでいます。大正6(1917)年、歌人・与謝野晶子をはじめ気鋭の文化人と交流があった初代が創業した月光荘。欧米からの輸入絵具に飽き足らず自ら絵具づくりをはじめ、今では絵具をはじめ絵筆やパレット、スケッチブックやバッグなどのオリジナルアイテムのみを販売しています。発色の優れた絵具や使いやすい絵筆、愛らしいスケッチブックは多くのひとに愛されてきました。そんな月光荘の絵具や筆を製造するビルの屋上倉庫をリノベーションし、「月光荘サロン 月のはなれ」が生まれました。
チキンガンボのガンボとはオクラのこと。じっくり炒めた野菜とコラーゲンたっぷりの鶏スープをベースに9種類のスパイスを効かせた特製ガンボ。お好みで塩漬け豚入りトマトソースとバジルソースを。食後にはすっきりした飲み口の浅煎りコーヒーを愉しんで。チキンガンボセット(豆ごはんorコーンブレッド)/1,500円、コーヒー/680円
スパイスで煮込んだレモンを加えた三日月型のレモンケーキ。コーヒーにもワインにもあわせたいデザート。空が澄んでくる秋の夜は月見団子ならぬ月見ケーキを。月のレモンケーキ/750円 photo by ©月のはなれ
銀座を忘れる名物クレオール料理
開店以来、不動の人気を誇るのがクレオール料理のチキンガンボです。クレオール料理とはフランスやスペイン、西アフリカなどの食文化が融合したアメリカ・ニューオリンズ発祥の料理であり、チキンガンボは鶏肉とオクラが入ったフランス移民が食べていたシチューのことです。看板メニューがクレオール料理とは珍しいと訊ねてみれば、カフェをはじめた三代目店主がニューオリンズで暮らした経験から、かの地で愛されている料理を取り入れることにしたそう。馥郁たるスパイスの香りが漂うチキンガンボには、柔らかな骨付きチキンとオクラがたっぷりと入っています。一見辛そうなスープですが、これが驚くほどマイルドで食べやすい。豆ごはんやコーンブレッドとあわせていただきます。空と緑を感じるテラスでクレオール料理を愉しんでいると、銀座にいることを忘れてしまうかもしれません。
空や緑だけではなくアートや音楽を気軽に愉しめる「月光荘サロン 月のはなれ」。店では二週間ごとに現代作家の個展を開催。展示と絡めたコラボメニューを展開することも。またジャズ発祥の地・ニューオリンズにあるカフェのように生演奏が愉しめる日も。 photo by ©月のはなれ
おひとり様でも愉しめる広々とした居心地のいいカウンターも。 photo by ©月のはなれ
掲載情報は2021年9月のものとなります。
■DATA■
月光荘サロン 月のはなれ
住所 東京都中央区銀座 8-7-18 月光荘ビル5階
電話番号 03-6228-5189
営業時間・定休日は状況にあわせて急な変更も。お出掛けの際はHPやお電話などにてご確認を。
月光荘サロン 月のはなれ