vol.33 銀座でひとやすみ
正統派バーでスタンダードな一杯を
日新堂の近くにある名店や街の魅力をお伝えしたい、そんな想いから生まれた『日新堂マガジン』。喜ばれる手土産やおいしいカフェ、そして街の歴史やちょっとしたトリビアまで、日新堂のお客さまが愉しめる街案内をお届けいたします。
第33回目は、銀座の正統派バーへと誘います。
昼も夜も愉しい銀座の正統派バー
バーカウンターに座って、さまざまなボトルを眺めながら、一杯を待つ高揚感。これぞ大人の愉しみであり、そこが銀座のバーならばなおさらのことです。銀座のバーは敷居が高いと思いがちですが、そんなひとこそ訪ねて欲しいのが「Bar たか坂」。客席十席余りのオーセンティックバーでは、スタンダードカクテルを中心に探究心にあふれる店主のオリジナルな一杯を愉しめます。大人の街だからこそ昼下がりの一杯を、と店は二時からオープン。銀座でひと仕事終えたものの、まっすぐ家に帰りたくない大人たちで、開店直後から店が賑わうこともしばしば。昼酒が似合う明るい雰囲気のバーには、ご常連に交じって「おいしいお酒が飲みたい」と訪れるZ世代たちの姿も。
端正に並んだボトルや磨き抜かれたカウンターが印象的な正統派バー。自分のためのひとときを愉しみたい。
「はじめてのお客さんも大歓迎。銀座を訪れたひとがふらりと訪ねて、一杯を愉しめる店でありたい」と店主・高坂壮一さん。三笠会館BAR5517で長くバーテンダーとして活躍。2018年春に独立して愛する銀座にバーを開いた。
銀座クオリティの一杯を召し上がれ
たか坂での一杯目は、スタンダードカクテルがいい。秋らしいカクテルというオーダには、林檎のブランデー・カルヴァドスをベースにザクロシロップやレモンを加えた、緋色に輝くジャックローズが登場。深みある味わいに爽やかさがたなびく、魅惑的な秋を予感させる味わいです。ベースになる酒と酸味や甘味のバランスを考えつつも、客がいま求めている一杯へと微調整。また派手なシェイクはおこなわず、氷をまわすように柔らかにふっていきます。そのほうが味がシャープでまろやかになると、華やかな演出よりも心に響く一杯を追求。飲めないひとに向けてモクテルはもちろん、ノンアルコールビールは五種類、ノンアルコールの白ワインやスパークリングワインなど豊富なラインナップ。飲めないなか訪ねたバーで、一種類しか選択肢がないのはつまらないだろうという気遣いから。“さすが銀座!”と言わずにはいられない、そんな歓びに出会える銀座のバーです。
美しい緋色のジャックローズ。米産リンゴのブランデー・アップルジャックを使ったレシピから名がついた。バラ品種の名前であり、映画タイタニックの主人公たちの名前でもある、と店主のカクテルトリビアは尽きない。 スタンダードカクテル/1,900円~
ノンアルコールのスパークリングワインとオレンジジュースで手掛けたミモザ。桃のような芳醇な味わいとフレッシュ感のある一杯。 ノンアルコールカクテル/1500円~
ステンドグラスの嵌め込み窓からは柔らかな光が差し込む。店主が好きな1950~60年代のハリウッド俳優の写真などが飾られている店内。趣味を知るご常連たちから写真を贈られることも多い。
掲載情報は2023年8月のものとなります。料金は税込・サービス料は別途10%
■DATA■
Bar たか坂
住所 東京都中央区銀座2-4-19 GINZA SENRIKENビル6階
電話番号 03‐6228‐7087
営業時間 14:00~23:00(L.O.22:00)
休日 月
営業時間・定休日は状況にあわせて急な変更も。お出掛けの際はWebやお電話などにてご確認を。
Bar たか坂