vol.24 銀座の手土産

驚きと歓びの美しき菓子“冨貴寄”

日新堂の近くにある名店や街の魅力をお伝えしたい、そんな想いから生まれた『日新堂マガジン』。喜ばれる手土産やおいしいカフェ、そして街の歴史やちょっとしたトリビアまで、日新堂のお客さまが愉しめる街案内をお届けいたします。
第24回目は、年末年始の挨拶にふさわしい美しい手土産菓子をご紹介します。










鮮やかで華やかな菓子の宝石箱

蓋をあけると思わず声があがる、銀座 菊廼舎(ぎんざ きくのや)の名物菓子『冨貴寄(ふきよせ)』。秋風に吹き寄せられる色づいた落ち葉のように、季節の意匠をかたどった干菓子、鮮やかな金平糖、香ばしい和風クッキーなどをいろどりよく詰め合わせた菓子です。着物の洗いなどをおこなう悉皆屋(しっかいや)として、明治23(1890)年に銀座は尾張町に店を開いた菊廼舎。訪れる客をもてなすために初代が焼いた菓子が評判をよび、歌舞伎煎餅として売り出したのが菓子屋のはじまりです。菓子屋の礎を築いた二代目は、茶事の干菓子を糸口に登録商標の冨貴寄を考案。ちょっとしたおやつからお遣い物までとその種類は広がり、今では常時十種類以上の冨貴寄が銀座本店に並びます。



屋号の謂れは、創業のころの店先に菊を植えていたからだそう。昨年夏、コアビルからあずま通りへと銀座本店を移転。路面店となったことで、はじめて来店するひとも増えたそう。 photo by © ginza-kikunoya









企業の周年菓子や結婚式の引き菓子などのオーダーも多い。風呂敷をつかったギフト提案が人気だそう。













誰に贈っても喜ばれる江戸の菓子

今の季節に人気があるのは、年末年始の挨拶にふさわしい『開運干支缶』です。干支を描いた麩焼き、鯛に招き猫、松の打ち物、竹や梅の雲平など、新春の寿ぎや縁起物がにぎやかに詰められています。もちろん見た目の美しさだけではなく、食感のいい和風クッキー、ほろりと崩れる落雁や歯あたりのよい和三盆、黒豆や落花生の滋味ある砂糖菓子など、すべての菓子にきちんと手をかけたおいしさがこめられている。美しさに驚き、おいしさに歓ぶ、贈る相手を二度三度と愉しませてくれる冨貴寄。仕事相手に、家族に、友人に、誰に贈っても喜ばれる江戸の菓子です。菓子の麩焼きにも描かれている白兎は、古来より瑞祥(めでたい知らせ)を運ぶと言われています。喜びに飛び跳ねることの多き年になりますように。



一枚絵のような美しさを表現するために、職人がひと缶ずつ丁寧に手詰めをしている。持ち運ぶさいに菓子が動かないようにきっちりと詰めているとか。おいしいお茶を淹れて愛らしい菓子とともにいただきたい。『開運干支缶』/1,998円









冬の夜空にきらめく流れ星を描いた冬限定の冨貴寄。センスのいいプチギフトとして。『ふゆのよぞら』/1,080円 photo by © ginza-kikunoya

















銀座本店の工房で手掛ける上生菓子や揚げまんじゅうも人気。マカデミアナッツをふんだんにまぶした香ばしい揚げまんじゅうはクセになる味。216円









掲載情報は2022年12月のものとなります。価格は税込みです。

■DATA■
菊廼舎 銀座本店
住所      東京都中央区銀座5‐9‐17 銀座あづまビル1階
電話番号    03‐3571‐4095
営業時間    9:30~18:00(土日曜・祝日 9:30~17:30)

営業時間・定休日は状況にあわせて急な変更も。お出掛けの際はWebやお電話などにてご確認を。
菊廼舎