vol.3 銀座でひるごはん

資生堂パーラー銀座本店でいただく、口福のオムライス

日新堂の近くにある名店や街の魅力をお伝えしたい、そんな想いから生まれた『日新堂マガジン』。喜ばれる手土産やコーヒーのおいしいカフェ、そして街の歴史やちょっとしたトリビアまで、日新堂のお客さまが愉しめる街案内をお届けいたします。
第3回目は、誰もが知る銀座名店のちょっと贅沢な「おひるごはん」をご紹介します。








伝統と新しさ、美しさとおいしさに満ちたレストラン

明治5(1872)年、レンガ造りの建物がならぶモダンな銀座の街に創業した資生堂薬局。その後、米国のドラッグストアにならって薬局内に「ソーダファウンテン」というドリンクスタンドを開きます。それが資生堂パーラーのはじまり。日本初のソーダ水や自家製アイスクリームなどのハイカラなメニューは、新しいもの好きな“もと江戸っ子”を大いに喜ばせたとか。昭和3(1928)年には、本格的な西洋料理店へと生まれ変わり、政治家や文化人から当時モガやモボ(モダンガールやモダンボーイ)とよばれた流行に敏感な若者まで、さまざまなひとがこだわりのメニューや銀座らしい雰囲気を味わうために訪れました。当時の人気メニューは、カレーライスやチキンライス、また三代目調理長が生みだしたミートクロケット。今では看板メニューのオムライスですが、当時は常連のお客さまがオーダーする隠れメニューだったそうです。



卵は奥久慈産、鶏肉は大山地鶏など、選りすぐりの食材でつくられるオムライス。資生堂パーラーでは、料理人としてまずオムライスを完璧に作れるようになることからはじまる。オムライス/2,600円(税込・サ別)







オムライスやカレーライスなどのライスメニューには、玉ねぎの醤油漬け、らっきょ、福神漬けなどの薬味が彩りを添える。









ふっくら柔らか、チャーミングなオムライス

ふっくらと柔らかで、つるりと美しいかたちをした資生堂パーラーのオムライス。ふるふるとなめらかな玉子の舌触りは、泡だて器でほぐした卵液をさらに濾し、最初は強火で最後は余熱で仕上げるという絶妙な火入れによって生まれます。単品としても人気が高いチキンライスを包み込んだオムライスを引き立てるのは、ほどよい酸味のこだわりトマトソース。また伝統のメニューでありながらも、時代の変化にあわせて見直すことも。ここ数年来の軽くてあっさりなヘルシーブームを経て、最近はしっかりとしたボリューム感や濃厚さを大事にしたリッチなひと皿へ。それにしても何度いただいても目のまえに置かれると自然と笑みが浮かんできます。ちょっと贅沢でいて、たっぷり幸せな気分にひたれるオムライスです。



4階と5階と2つのフロアがあるレストラン。親子三代にわたるご常連ゲストからSNS映えするオムライスをお目当てに訪ねる若いゲストまで、さまざまなひとたちが訪れる。







磨き抜かれた銀食器や整然と並んだグラス、花椿のマークが織り込まれた真っ白なテーブルクロスにナプキン、引かれた椅子に腰を掛けると自然と背筋がしゃんとする。







同店シェフもおすすめするアラカルトメニューのビーフシチュー。こちらはテイクアウトもできるのでお試しを。Photo by ©Shiseido Parlour Co., Ltd. 







昔は20種類以上もあったというソーダ水。明治のモダンが薫るアイスクリームソーダを食後に。アイスクリームソーダ(レモン)/1,150円(税別)Photo by ©Shiseido Parlour Co., Ltd. 







掲載情報は2021年3月のものとなります。

■DATA■
資生堂パーラー銀座本店レストラン
住所   東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル4・5F
電話番号 03-5537-6241
営業時間 11:30~21:30 (L.O.20:30)
休日   月曜日(祝日は営業)、年末年始
     ※12月は月曜日も営業

急遽変更になる場合がございます。詳しくは公式ホームページやお電話でご確認ください。
資生堂パーラー