vol.7 銀座でひとやすみ

“あんみつ”発祥の甘味処、銀座若松へ

日新堂の近くにある名店や街の魅力をお伝えしたい、そんな想いから生まれた『日新堂マガジン』。喜ばれる手土産やコーヒーのおいしいカフェ、そして街の歴史やちょっとしたトリビアまで、日新堂のお客さまが愉しめる街案内をお届けいたします。
第7回目は、ほっとひと息つける銀座の甘味処へとご案内します。










路地に佇む、江戸薫る甘味処

海外の高級メゾン、ポップなトレンドショップ、老舗百貨店がたち並ぶ、華やかで賑やかな銀座の目抜き通り。でも銀座の魅力は大通りだけではありません。通りと通りの間の路地には、長くご常連に愛されてきた店が商いを続けています。創業は明治27(1894)年、老舗の甘味処・銀座若松もそんな小さな路地にお店を構えています。上野で汁粉屋をしていた初代が当地で店を開いたのがはじまり。丁寧に炊かれた特製あんをつかった汁粉やぜんざい、みつ豆や豆かんを求めて、老若男女が訪れるように。パーラーやカフェなど時代の先端をいくモダンな店とともに、どこか江戸が薫る甘味処は銀座の街に欠かせない存在でした。



小豆は十勝産、赤えんどう豆は富良野産、寒天は伊豆三宅島産、と吟味をかさねた国産素材のみでつくられる銀座若松の「元祖あんみつ」。あんの上には松模様の抹茶羊羹を。4種類の定番あんみつ、また桜あんや紫芋あんを使った「季節限定あんみつ」も。元祖あんみつ/950円









広々とした店内は買い物帰りの母娘からひとりで訪れる男性客まで幅広い。親子二代、三代で通うご贔屓も多いとか。













二代目店主が手掛けた庶民の味“あんみつ”

今では庶民の味となった“あんみつ”は、昭和5(1930)年に銀座若松で生まれました。常連客から「もっと甘いものが食べたい」と言われた二代目店主は、みつ豆に自家製こし餡をのせて、甘い黒蜜をたっぷりとかけてご提供。店主のひらめきが生んだ甘味は、瞬く間に店の看板メニューへと。そして全国各地へと広がりました。砂糖が多めなのにさらっとしたのど越しのこし餡をのせた「元祖あんみつ」は、親子二代、いや三代にわたるファンが多いそうです。これからの季節は、「氷あんみつ」や「冷し志る粉」などもおすすめ。甘味で涼をとって、夏の銀座歩きを愉しんでください。



さらりとした甘さで後味のよい「冷し志る粉」は、暑さ負けしたカラダをじんわりと癒してくれる。冷し志る粉/1,000円









「元祖あんみつ」、「白玉あんみつ」、「杏あんみつ」などはテイクアウトも。ちょっとした手土産にふさわしいくず餅やお団子も販売中。









銀座コアビルの脇道を入ると昔ながらの看板と風情のある店構え。ビル内からも入れるが小道を抜けていくのが通っぽい。









掲載情報は2021年7月のものとなります。

■DATA■
銀座若松
住所   東京都中央区銀座5-8-20 コアビル1F
電話番号 03-3571-0349
営業時間 11:00~18:00(当面のあいだ)
休日   年末年始等

営業時間・定休日は状況にあわせて急な変更も。お出掛けの際はHPやお電話などにてご確認を。
銀座若松